虫歯は一般的な感染症で、多くの人が虫歯になります。虫歯にならないためには予防への取り組みが最大の防御策であり、家庭での入念なケアと歯科医院での定期的な検査、保守が大変重要です。
虫歯の治療は歯を削ることと思われるかもしれませんが、そのような時代は終わりました。虫歯を早期発見すれば、痛みを伴うことなく虫歯部分を除去し、健康な歯を長く維持することができます。歯と歯の間は食べカスがたまりやすく、細菌にとって理想的な隠れ場所、繁殖場所です。虫歯や歯周病などの歯の病気は、多くの場合、歯と歯の間から始まります。これらの虫歯を早期に発見すれば、歯を削らない予防処置だけで済むケースが増えます。
また、虫歯の90%は歯の表面下に隠れています。歯の内側から虫歯になりはじめても、外側から見えないことが多く、早期発見には歯の表面の検査だけでは不十分です。見えない部分を見るにはレントゲンやCTなどの放射線を利用するものが使用されています。
レントゲン撮影でのX線量は機器の進化により非常に少なくなっており身体に影響がでることはありません。しかし、少ないとはいえ放射線ですので使わなくてすむならばそれに越したことはないでしょう。患者さん、特に妊婦さん・子供の親御さんにはX線を使わない、光による撮影は繰り返し撮影しても放射線の心配がなく安心して受けていて頂けますこの機器は、歯に光を当てると、虫歯の箇所が暗い部分として映し出されます。歯を光導体のように利用することで、カメラが光を感知し、画像をモニターに映し出します。X線を使わないため、被ばくの心配が無く安全です。
皮膚の表面及び内部の検査には皮膚科で使用されている専用の器具を使用して検査しています。
これは、ダーマトスコープと呼ばれ最先端・多機能ですぐれた携帯型の皮膚可視化システムです。
交差偏光システムは、病巣部の視野の偏光をボタンを押すだけで瞬時に調節し、表面の組織構造から深部の着色まで様々な深さで詳しく観察することができます。また、皮膚イメージングにおいて、この機器は「ドライ」な皮膚イメージングとオイル浸式エピルーミネッセンスを、2層偏光光源の有無に関係なく選択できるため、皮膚に接触せずに病変部を観察したり、オイルを使用して病巣部を見ることができます。この装置は、デジタルカメラに取り付けることが可能なため、皮膚イメージを以前より簡単に記録することができます。
この機器は、LEDの光学技術と偏光技術により、より鮮明で詳細な観察を可能にします。すでに、アメリカでは多くの医師が使用し、様々な臨床現場で活躍しています。ダームライトによる観察は光を当てるだけで組織を採ったり、放射線を使用しないため安心して検査を受けて頂けます。
口腔がんに関する検査には問診や視診・触診。また、画像検査ではCT、MRI、PET-CT、超音波によるものなどがあります。問診・視診・触診に比べ画像検査は大掛かりな設備も必要となります。
近年予防歯科の観点からも、もっと簡便な検査方法として口腔内スクリーニングが注目されています。
薬剤を一切用いない、口腔内に可視光線照射のみの検査のため患者負担が少く、組織の変異を視診で鑑別する医療機器で簡便な検査法のため、従来の検査に加えた補助的なスクリーニングとして用いられ、口腔がんの早期発見、早期診断に役立つと期待されている。
アメリカ食品医薬品局やカナダ保健省から認可を受けている。
2012年現在、日本では厚生労働省の薬事法の認可を受けていない。
VELscope
OraI ID・CytID 2014年度最優秀製品に
2014年12月、Forward Science Technologies LLCは新たな賞を受賞した。受賞したのは口腔がんスクリーニング機器であるOralID。Gordon J. ChristensenDDS, MSD, PhD(米国ユタ州にある国際歯科継続教育団体の創設者)が出したTheClinicians Reportには、『2014年の最も優れた機器、OralID・CytID』というタイトルで、OralIDとCytIDがあれば完璧な口腔粘膜のスクリーニングを行うことができると書かれている。また、The Clinicians Reportの評価では、これまでのスクリーニング機器と比較し、「OralIDは使い方が簡単で安くてすごくシンプルであり、更に軽い」と2014年8月の同書でOralIDとCytIDを推奨している。
同社の社長兼最高技術責任者であるBrian Pikkula氏(生物光学博士)はこの受賞は非常に意味のあるものと捉えている。The Clinicians Reportはいわゆる工業規格であり、今や何十年にも渡って製品レビューの代名詞となっている。この度この賞を受賞することにより、完璧な口腔がんスクリーニング方法を臨床医に提供するという点で確かに正道を歩んでいるのだと自信を持てたとPikkula氏は言う。
Forward Science Technologiesは、簡単・効果的・お手頃な口腔がんスクリーニング機器を、より多<の医院に使ってもらおうというビジョンのもと設立され、その結果として多くの命が救われている。OralIDのロ腔内病変の発見には蛍光発光技術が用いられているが、これで従来の白色光では発見できなかった病変をも発見できるようになった。OralIDを使用する際はフィルター付のゴーグルを装着する。OralIDが発する青色光で、がんや前がん、その他の病変が、暗<なる部位(あるいは蛍光発光されない部位)でわかるようになっている。携帯式で使い易く、受賞歴のあるOralIDは、市場においてすぐさま高評価の対象となった。患者1人あたりの費用をかなり抑えることができるため、従来のスクリーニング機器とは全く異なる次元の製品である。
(Dentistry iQより)
日本の薬事承認取得済み 承認番号 13B1X10047000021
歯科診断用口腔内カメラ「イルミスキャンII」、舌悪性腫瘍手術に用いる口腔粘膜蛍光観察機器で患者様の口腔粘膜に安全な青色光を照射した際に発せられる蛍光を特殊なフィルタを介して観察することで、粘膜疾患の疑いのある部分が暗く見える(蛍光ロス)という原理を用いています。
2020年4月1日から保険適用
治療室内を無菌状態にするために院内に数々の機器を用いて対応しています。
菌の流入経路は主なものとして空気と水です。これらの治療室内への流入から排出するまでに様々な機器を用いて無菌化に取組んでいます。
治療室内で使用する各種器具はウルトラファインバブル水・機能水による洗浄だけでなく各クラスのオートクレーブを使い分け徹底した除菌・滅菌処理を施したものを患者さま毎に交換し使用しています。
また、治療室内では菌の飛散防止、微細な浮遊物の吸着なども行っています。
日本機能水学会による定義では・・・
「機能水とは、人為的な処理によって再現性のある有用な機能を獲得した水溶液の中で、処理と機能に関して科学的根拠が明かにされたもの、及び明かにされようとしているもの」とされています。
機能水の例としては、酸性電解水やオゾン水、アルカリイオン水などが知られていますが、これらは人体をはじめ生物に使われるため、「品質」、「有効性」および「安全性」に関して公に受け入れられる科学的根拠を示し公的な許認可を得ることが求められます。
このような機能水の中で「電解水」はこれらの条件をクリアしている代表的な機能水であり、人にも環境にもやさしく有効であることが特徴です。
電解水の種類は以下のものがあります。
酸性電解水 (次亜塩素酸水) |
強酸性電解水 (強酸性次亜塩素酸水) |
微酸性電解水 (微酸性次亜塩素酸水) |
弱酸性電解水 (弱酸性次亜塩素酸水) |
中性電解水 |
電解次亜水 |
強アルカリ性電解水 |
オゾン水 |
アルカリイオン水 |
水道水や薄い塩化ナトリウムなどの塩化物イオンを含む水溶液を弱い直流電圧で電解処理して得られる水溶液の総称となります。
使用目的に基づき、洗浄消毒など衛生管理に使われる殺菌性電解水と、持続的飲用による胃腸症状改善効果が明らかとなっている飲用アルカリ性電解水とに大別されます。
後者の飲用アルカリ性電解水は、アルカリイオン水としてスーパーやネット通販などでもペットボトル飲料として販売されており、誰でも気軽に購入することができ、日常的に500ml〜1,000mlのアルカリイオン水を飲むことで、下痢や胃もたれ、消化不良などの胃腸症状をやわらげる効果が期待できるとされています。
前者の殺菌性電解水には以下の種類があります。
次亜塩素酸水 | 電解槽/生成極 | 被電解液 | pH | 有効塩素 (mg/kg) |
認可状況 |
強酸性次亜塩素水 (強酸性電解水) |
二室型/陽極 | NaCl水 (<0.2%) |
2.2~2.7 | 20~60 | 医療機器(手術時手洗・内視鏡消毒)、食品添加物(殺菌料) |
三室型/陽極 | |||||
弱酸性次亜塩素水 (弱酸性電解水) |
二室型 | NaCl水 (<0.2%) |
2.7~5 | 10~60 | 食品添加物(殺菌料) |
三室型 | |||||
微酸性次亜塩素酸水 (微酸性電解水) |
一室型 | 塩酸水 (2~6%) |
5~6.5 | 10~80 | 食品添加物(殺菌料)、特定防除資材 |
塩酸/NaCl混合水 | 食品添加物(殺菌料) | ||||
電解次亜水 | 一室型 | 食塩 (<0.2%) |
>7.5 | 30~200 | 次亜塩素酸ナトリウムの希釈液と同等 |
当医院では、電解次亜水のb-Crone、微酸性電解水用にvox及びアクエス、弱酸性電解水にはハイパークリアを使用しています。
これらの機器から生成される機能水は食品添加物にも認められているものであり、人にも環境にもやさしく有効で安全なため、安心して治療を受けて頂けます。
B.CROON
電解次亜水
Vox
微酸性電解水
アクエス
微酸性電解水
ハイパークリア
弱酸性電解水
オートクレーブ滅菌(高圧蒸気滅菌)とは、ある一定の温度と圧力で飽和水蒸気を作り加熱することで、すべての微生物を滅菌する装置のことです。医学・生化学・工学など、様々な分野でそれぞれの目的に応じて使用されます。
オートクレーブの気圧と温度は機種によってばらつきがありますが温度を121℃から135℃、時間を5分から20分程度の短時間で確実に細菌・微生物・胞子を全て滅菌します。
オートクレーブには種類がありヨーロッパ基準で、クラスN・クラスS・クラスBに分かれています。
当医院では温度を134、135℃で行っています。
当院でもクラスの使い分けを行い滅菌作業を毎日行っています。
器具除染用洗浄機で、全自動洗浄・熱水消毒・温風乾燥を行い、作業者への感染防止 作業負担の軽減を目的に使用しています。
水は上水道から取込み、診療室内で「切削時にタービンの先から噴射」、「口腔内への吹きつけ」、「うがい」、「器具の洗浄」など様々な部分で使用されます。
水への対策は上水道取込み口に装着された機器によりウルトラファインバブルが生成された水を洗面台、トイレ、消毒室、治療台(チェアー)と院内全ての場所で使用しています。
ウルトラファインバブルは水の院内への入り口で発生しているので各場所へのパイプライン、治療ユニットチューブのバイオフィルムの剥離、再付着を阻止し常に清潔に保ちます。
診察・治療時患者様一人別に使用するミラー、スケーラーなどの器具は水道の蛇口からウルトラファインバブルを含んだ水を「微酸性次亜塩素酸水」の生成器に取込み、殺菌効果を上げた状態の水を使用して手作業洗浄、超音波洗浄・消毒後、個々の基本セットはシーリングしてオートクレーブ滅菌済みです。
この基本セットを患者様・治療時・一人別に開封し使用しています。
サイズが直径1マイクロメートル(1,000分の1mm)未満の目に見えない極小の気泡をウルトラファインバブルと呼び、この気泡を発生させる技術は日本が世界をリードする最先端技術として近年様々な産業で活用が進んでいます。
ウルトラファインバブルとマイクロバブルの違いは気泡の大きさでウルトラファインバブルはマイクロバブルの約100分の1です。気泡が10cm上昇するのに要する時間がマイクロバブルでは約7分、ウルトラファインバブルは数ヶ月から1年と言われ長時間液中に存在することが知られています。
治療台には院内パイプラインを通りウルトラファインバブルの溶け込んだウルトラファインバブル水がやって来ます。
その水は治療台ごとに設置された除菌装置のバイオプロテクターにより除菌されます。
除菌された水は2段目のウルトラファインバブル生成ノズルを経たのちに治療台に供給されます。
治療台(チェアー)ではメーカーにより2種類の殺菌処理を施す装置があり、これらを通過し除菌されたウルトラファインバブル水がエアータービン・コントラ・3wayシリンジなどを介して治療に使用されています。
口腔内での研磨に使用する空気は外部からフィルターを通してコンプレッサで加圧された後に再度フィルターされてからパイプを通り、チェアーに供給されます。
チェアーにも空気と水のフィルタが備えられておりそこを通過した空気が診療で使用されます。
研磨時にはこの空気が適切な正圧で研磨機内部から口腔内の研磨位置に噴射されると同時に外部のバキュームポンプの負圧を利用して外部に吸い出され最終的に院外に放出されます。
これにより治療部位から研磨による菌の飛散があった場合も口腔内から出ることなく院外に排出される為院内は常に無菌状態を保っています。
患者様(一人)の診察、治療が終了するごとにミラー、探針などの個別セットはもとよりうがい用カップ、バキューム口(唾液の吸い取り)にいたるまで徹底した殺菌処理を行っています。
①電解中性水生成装置で無菌化された水で洗浄
②酵素系洗浄剤の泡で洗浄
消毒・滅菌効果を阻害するタンパク汚れや脂質を酵素の力で強力分解。
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③超音波洗浄機
人手によって除去できない微細な汚れや、複雑な構造の内部の汚れを取り除きます。
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④ソフト酸化水で再度洗浄
このAQESSの生成するソフト酸化水は、様々な口腔内感染症を起こす常在微生物に対して10秒という短時間で極めて強力な除菌効果が認められています。
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⑤バキューム口など管内部の洗浄
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⑥業務用食洗器で洗浄
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⑦個別セットごとに滅菌パック包装
洗浄、乾燥済みになった器具を個別セットごとに滅菌パック包装。
滅菌方法は高圧蒸気(オートクレーブ)とホルマリンガスを使用しますが、スチール、プラスチック、ゴム、紙、カーバイト等は腐食、変性などの問題からオートクレーブが使用できないため患者様用個別パックとは別に分別包装を行います。
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⑧-a 全自動高圧蒸気滅菌器で滅菌
オートクレーブは、医療分野において、高温高圧の飽和水蒸気による滅菌処理を行います。2気圧の飽和水蒸気によって温度を121℃に上昇させ、20分間処理することで、対象物の水分を保持したまま、しかも乾熱滅菌より低い温度、短い時間で滅菌を行うことが可能である。これはオートクレーブが水分存在下での加熱(湿熱)であるため、高温で促進された加水分解反応によって、微生物を構成する生体高分子の分解が促進される分、乾熱よりも効率よく滅菌されるためだと考えられています。
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⑧-b ホルマリンガス殺菌器で殺菌
ホルマリンガスは、MRSAをはじめHIV、肝炎などのウイルス、一般細菌まで広範囲に強力な殺菌作用を持っています。そのため医療器具・器材への殺菌・消毒方法として、一般病院でも広く利用されています。
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⑧-c ガス殺菌器で殺菌
オートクレーブ(高圧蒸気滅菌乾燥機)に耐えられないガーゼ・タオルなどの布類を滅菌します。
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⑨個別パック・確認用シートのテスターで滅菌確認
個別パック・確認用シートには、滅菌が出来ると色が変化するテスターがあり、パックごとの滅菌処理完了を確認しています。
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⑩滅菌処理済のパックは紫外線殺菌の専用保管庫に収納
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⑪歯ブラシ除菌装置で除菌
衛生指導などで使用した歯ブラシは、UVC LED:紫外線C波を使用した歯ブラシ除菌装置は3分で99.9%除菌
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⑫お湯洗いドラム式洗濯機で洗濯
タオル、エプロンなどは、お湯洗いドラム式洗濯機で洗濯。洗剤液を温めることで酵素の力を活性化させ、繊維の奥に染み付いた汚れ、黄ばみや菌まで洗い流す。
水温60度のとき菌の減少率99%以上の検査結果。
今年の5月に国立感染症研究などの研究チームの調査で歯を削る医療機器を、滅菌処置せずに患者間で使い回している歯科医療機関は約7割に上る可能性のあることが新聞で報道されました。
歯を削るドリルを取り付けた柄の部分は、治療の際には口の中に入るため、唾液や血液が付着しやすく、使いまわしていると患者が機器を介してウイルスや細菌に感染する恐れがあり、使用後は清潔な機器と交換することが、日本歯科医学会の診療指針で定められています。
厚生労働省によると、歯科での院内感染は、国内で明らかになった例はないものの米国では、複数の歯科でB型肝炎ウイルスヽヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染が報告されている。
当医院ではこれまでも個別に使用する機器の滅菌処理、水道水を無菌化しての利用など複合的に対策を行ってきています。今回、診療チェアの更新に伴い、滅菌処理をさらに進めました。
各チェアの歯を削る部分へ延びるパイプは専用の浄化システムを採用し滅菌処理が可能で毎日実行しています。
微酸性機能水を使用して滅菌処理しています。
報道された歯を削る柄の部分は左がエアタービンでエアーコンプレッサから供給される空気でドリルなどを回転させる仕組みです。しかしこのタイプは当医院では使用していません。それは、削った後回転が止まるときに、負圧になる為タービーン側にエアーが戻ることが多く、もし菌が付着していた場合タービンが汚染される危険があるからです。
右のものはコントラといいエアーではなくモーターで回転させるためエアーの戻りはなく安全です。しかも通常のコントラは毎分4万回転ですが当医院で使用しているものは5倍の20万回転のものを使用しています。これは、エアータービン並みのエナメル質切削が可能です。
勿論、使用後は使いまわさず個別に滅菌処理を行っています。
ドリルも使用後は滅菌処理を施し、滅菌パック入れて保存しています。
レーザーの種類はいくつもあり、それぞれに特徴があります。
このページでは医院で使用しているレーザーの中からNd:YAGレーザーの報告が掲載された記事の抜粋をご紹介します。
2008年5月 Vol.4 No.5
Nd:YAGレーザー治療
SRPとの併用で重度歯周病に効果
〔米国〕ルイジアナ州立大学のRaymond Yukna氏らが、歯牙喪失の危機に瀕している重度歯周病に対して、レーザー治療が有効であることを報告した。本研究は、International Journal of Periodontics and Restorative Dentistry[2007 ; 27(6) :577-587]に掲載された。
治療3か月後に結合組織と歯根周囲の組織が再生
本研究では対象を中等度から重度の歯周病患者6症例とし、レーザー治療の効果を検討することを目的とした。各症例において、1歯はスケーリング・ルートプレーニング(SRP)のみ行い、他の1歯でSRP後にレーザー治療を実施した。その結果、SRP後にレーザー治療を受けた歯は3か月後に明らかな改善を示したのに対して、SRPのみでは改善が認められなかった。レーザーの照射は炎症性組織を蒸散し、歯肉溝に存在する細菌を死滅させる。超音波スケーラーで歯石を除去した後に再びレーザーを照射すると、歯肉の付着が促進される。レーザー治療を受けた歯では、3か月経過後に結像組織の新生と歯根周囲の組織の再生が認められた。本研究はMillennium Dental Technologies社の開発した技術を応用するとともに、同社から研究助成金の提供を受けて実施された。研究チームは、「今回の研究は、中等度から重度の歯周病に対すNd:YAGレーザー治療を対象に行ったものであり、本研究の結果をすべてのレーザー治療に適用できるわけではない」と付言している。
先日、日本歯科新聞に記載されて注目のLANAPですが、海外ではたくさんの医院で取り上げられています。
歯周病の治療は以前は歯茎を切開する手術が一般的ですが、LANAP(Laser Assisted New Attachment Procdure)はFDA承認の最新歯科治療でメスで歯茎を切開せずレーザーで行うため殺菌しながら病気の部分を取除くため術後の回復も早く患者様の術後の負担も軽減されることになります。
その手順は以下の通りです。
アメリカ食品医薬品局、アメリカ合衆国の政府機関であり、食品や医薬品、さらに化粧品、医療機器、動物薬、玩具など、消費者が通常の生活を行うに当たって接する機会のある製品について、その許可や違反品の取締りなどの行政を専門的に行う。
日本の厚生労働省に当たるHHS(Department of Health and Human Services; 保健福祉省)に属する一機関。
医薬品および動物用医薬品、生物学的製剤、医療機器、国内の食糧供給、化粧品、そして電磁波を放出するような製品の安全性と有効性を保証することによって国民の健康を守ることが、FDAの責務である。加えて、医薬品や食品をより効果的に、安全に、そしてより安価にするための技術革新を加速させることによって国民の健康を増進すること、そして国民が自らの健康を増進するために必要な医薬品や食料に関する正しい、科学に立脚した情報を国民に与えることもまた、FDAの責務である。
歯科用レーザーによる治療は、患部にレーザーを照射するだけなので、従来の治療による音や振動からくる不安感や恐怖感、痛みがが少なく、安全で副作用がないため安心して治療を受けていただけます。
フッ素を使うことで歯質が強化されるのはよく知られていますが、フッ素を塗布後レーザーを照射すると、フッ素が歯のカルシウムと結合しやすくなります。
黒色塗布剤を虫歯に塗りヤグレーザーなどを当てると、虫歯になったエナメル質を除去することができます。レーザー自体に殺菌力があり虫歯の原因となるミュータンス菌などを取り除く効果もあります。
虫歯が神経まで達してしまった時に、やむを得ず神経を除去して殺菌、空いたところを充填物で埋める治療で、止血、殺菌、鎮痛などでレーザーを併用します。
知覚過敏自体のメカニズムは完全には解明されていませんが、レーザー自体に弱い鎮痛・麻酔作用があり有効です。
歯周ポケットの消毒・殺菌・掻爬。レーザーで知覚過敏の処置や止血を行った上で歯周ポケットの中の歯石を取って滑らかにすると苦痛や出血が少なくなります。
半導体レーザー治療器
パワー密度が高い180mWの最高出力をピンポイントで照射し、素早く「痛み」の深部に浸透。慢性非感染炎症による疼痛の緩解に効果があります。
YAGレーザー装置1
歯科用 Nd:YAG(ネオジウムヤグヤグ)レーザー装置
生体の表面にのみ反応する人に『優しいレーザー』です。CO2レーザーなどと比較して炭化しない、クラックが起こらない、深部への影響が少ない、熱の発生が微少、ほとんど麻酔が不要というメリットがあります。周囲組織への熱のダメージが極めて少ない低侵襲治療が可能です。さらに軟組織・硬組織を問わず幅広い治療に対応できるだけでなく、従来のタービン等と比べて切削音や振動が微少なので、不安感・恐怖感といった患者様のストレスも大幅に減少します。
YAGレーザー装置2
歯科用 Er:YAG(エルビウムヤグ)レーザー装置
硬い組織から軟組織、そしてポケット内照射まで幅広い治療に対応。
水(生体)への吸収が他の歯科用レーザー比べて特に高い表面吸収型。
エネルギー効率が高くメスとしての効果に優れ切れ味が鋭く治りが早い。
表面が凝固膜になるなどで刺激が遮断されるため痛みも少ない新しいレーザー装置。
パルス発振型 Nd:YAGレーザー
歯科用 Nd:YAGレーザー装置
Nd:YAGのレーザーを連続波ではなく、パルス発振の照射方法を採用しているため、照射による組織への熱の深達度を制御することが可能になり、これにより熱の深達度による影響や危険の少ない止血、凝固、蒸散、切開を行うことが可能になった。
CO2レーザー装置
歯科用 CO2(炭酸ガス)レーザー装置
水(生体)への吸収がが高い表面吸収型。エルビウムヤグレーザーよりも波長が長くレーザーメスとしてよく使われるシェアNo.1のレーザー。
高周波治療器
高周波治療とは高周波電流を使用し、生体との接触点において発熱する原理を医学的に応用したもので代表的なものでは最新のラジオ波メスが挙げられます。この電気メスは通常の電気メスに比べて切れ味がよく、止血効果も高く、さらに治癒が早いのが特徴です。
高周波治療は歯内・歯周・口内炎療法でも用いられ、熱での焼灼や殺菌を同時に行うことが出来ます。しかも、細い根管や側枝ほど発熱しやすい特徴があるため従来の治療法では困難であった細かい部の治療が可能になっています。
超音波治療器
2つの超音波技術「ULTRASOUND」と「LIPUS」を融合した機器
超音波が生体組織に照射される際に生じる熱で、温熱作用を発生させ、超音波が到達している範囲を立体的に温めることができます。ホットパックや遠赤外線など体表面を温める伝導加温では、体表面でエネルギーが消費されてしまい、体の深部まで温めることはできません。
プローブの中の結晶体を伸縮させることで「圧電効果」による音波を発生。1秒間に100万回/300万回の高速度ミクロマッサージにより、深部に直接刺激を与えることができます。
低出力パルス超音波により低出力の超音波を断続的に発振します。発熱が少ないため、プローブを患部に固定した状態で使用することができます。